[Events | 群馬大学 柴田研究室 (HCI Lab)]

大人の図書館「札幌市図書・情報館」見学の報告

2025年7月1日、札幌市図書・情報館を見学した。 図書館は観光地として有名な「札幌時計台」から歩いて数分。 札幌市民交流プラザの1Fと2Fにある。

コンセプトは「はたらくをらくにする。」 働く大人のための図書館だ。

このコンセプトが明確に具現化されており、他の図書館では見られない以下のような特徴をもつ。

● 貸出を行ってない
図書館でありながら、本の貸出を行っていないなんて。「本を読みたい人は買え」ということか。いや、いつでも全ての本を閲覧できるようにすることが狙いのようだ。

● 会話できる
図書館で会話できるなんて。人が集まり、情報を交換する場にしたいそうだ。館内では心地よい音楽が流れている。それでも、大声で話しているような人はいなかった。

● ミーティングルーム、コワーキングエリアがある
図書館で働いてくれということだろう。

● セミナーやトークイベントを開催

● 無料Wi-Fiが備わっている

● 飲み物を持ち込みできる
1階にはカフェも隣接してあり、カフェには図書館の本を持ち込むこともできる。

● 座席を予約できる
座席数は全部で200あり、図書館の面積の割には席数が多いと思う。席を予約できるので、図書館に来たけど席がなかったということはない。

● 文学・児童書・絵本のコーナーはない
子どもの場ではない。大人の場というスタンスが明確だ。文学書がないという点も、働く人のための場だからだろう。

● 自習はできない
ここまでやるのかと思った。受験勉強や自学習の場ではないということだ。それを終えた働く人のための場だということだろう。実際、私が行ったとき、自学習する高校生以下らしき人はいなかった。

こうしたコンセプトの一貫性からか、Library of the Year 2019の「大賞」「オーディエンス賞」 ダブル受賞したそうだ。

図書館の狙いとして、起業をサポートしたいのだそうだ。 実際に、図書館での出会いや相談をきっかけに起業やビジネスに発展したケースがあるのか、利用者はどういう目的で利用しているのか、聞いてみたかった。 今度は是非、事前予約して行きたい。